意思決定者 の5つのタイプと対策

『 はじめてのマーケティング 』シリーズ – [ 意思決定者 の5つのタイプと対策 ]
今回は、営業・マーケティングにおいて知っておいた方がいい意思決定者について紹介します。

マーケティング入門
意思決定者 : DMU ( Decision Making Unit )
意思決定者 / DMU ( Decision Making Unit )

購買の意思決定の時に何が起きたのか?

  • 話している相手は「欲しい」と言っているのに、結局、買ってもらえなかった、という経験はないでしょうか?
  • なぜ買っていただけなかったのでしょうか?
  • 購買を意思決定する過程において、何が起きたのでしょうか?

意思決定者とは?

意思決定者とは、商品やサービスの購入の意思を決定する人のことをいいます。個人向けのビジネス (BtoC)だと、通常は、個人が意思決定者で、決裁権を持っています。法人向けビジネス (BtoB)では、社長、役員、部門長など、最終的な購買の意思決定をする人が、意思決定者にあたります。また、購買に関わる意思決定に関与する人たちを「DMU ( Decision Making Unit )」ともいいます。Decision Making (=意思決定) の Unit (=ある一団/集団/一人) です。

この購買に関与する意思決定者を特定し、その人に対して適切にアプローチをすることが重要です。意思決定者の見極めを間違えてしまうと、買っていただくまでに、思っている以上に労力と時間がかかります。最悪の場合、買ってもらえなかったということも起きます。正しい意思決定者に適切な情報を提供することは、営業・マーケティングプロセスにおいて、とても重要です。

BtoBにおいては、販売サイクルが長く、意思決定に関わる人は何人もいたりします。社長や役員などの最終的に決済をする人だけではなく、さまざまな役職の人や部門の承認が必要だったりします。そのため、意思決定者といったときに、どういう人を相手にしているのかを確認することが大事です。事実、調査会社CEB(現在、ガートナー)が、B2Bの購買に関わる関係者5,000以上を対象にした調査によると、購買には平均で5.4人の承認が必要とのことです。

例えば、ITシステムの導入だと、IT責任者だけではなく、営業やマーケティング、オペレーションの責任者も関わるでしょう。このように他の部門も購買の意思決定に関わります。

BtoCにおいても、日常の買い物であれば、自分一人で決めると思いますが、住宅や車など高額なものを買う時は、家族に相談することはあると思います。パートナーの意見が購入の意思決定に影響を与えることがあります。また、パートナーの判断や承認がないと買えないということもあるでしょう。つまり、商品やサービスによっては、複数の意思決定者がいます。

意思決定者のタイプとその対策

購買に関与する人はさまざまです。ビジネスモデル、組織や商品・サービスによって違ってきます。ここでは法人向けビジネス (BtoB)を考慮し、意思決定者 を5つに整理し、紹介します。

意思決定者とは
意思決定者とは

意思決定者のタイプ1.ユーザー

実際に商品やサービスを使う現場の担当者や責任者、あるいはその部門長かもしれません。情報収集や選定を行い、決裁者に購入の提案をする人です。製品やサービスの仕様など詳細を詰める際の商談に関与したりもします。

やりとりのポイントとしては、日々の業務の効率や効果が上がること、課題や問題をどう解決するのかなどを伝えていくことです。そして、欲しいと思っていただいた際には、営業担当者であれば、当たり前のようにやっていることですが、相手が承認を取れるよう、何ができるかをヒアリングし、協力することです。

意思決定者の他のタイプ.イニシエーター

組織体制によって、上記1のユーザーに違いをつけるときがあります。1のユーザーというのは、1行目に「実際に商品やサービスを使う人」です。一方、ここで言うイニシエーターは、「問題を認識し、この問題の解決策を見つけようとする現場の人」です。

意思決定者のタイプ2.決裁者 / 決定者

社長、役員、部門長など、薦められた提案を最終的に承認する正式な権限のある人です。個人の場合だと、財布を握っている人です。決裁者の関わり方は、それぞれですし、期待していることも違うので、確認が必要です。

対策としては、担当者と話している際に、「最終的な決裁者は誰か?」「どういう課題を抱えているのか?」「何を重視するのか?」「どんな情報を必要としているのか?」「何か制約や前提条件などはあるのか?」などをヒアリングすることです。上記の「ユーザー / 選定者」のところで既に述べましたが、担当者が承認をとりやすいように、資料や情報の準備などの支援をしましょう。

意思決定者のタイプ3.購買者

商品やサービスを実際に購買や調達する担当者です。組織によって変わってきますが、ここも上記で述べたとおり、相手が誰で、何を重視しているのかなどを担当者に確認します。また予算やROIの点での懸念事項などあるのか?などを確認し、それに応じた対策を一緒に練っていくことが大事です。例えば、費用対効果をまとめた情報を提供するなどです。

意思決定者のタイプ4.インフルエンサー

購買の承認や決定に直接関わることはないですが、購買の意思決定に影響を与える人です。製品やサービスの評価や決定において、技術的な側面もあれば、ビジネス的(投資的)な側面での影響力があります。例えば、「あの人の言うことは聞いておかないと」みたいなご意見番的な人たちだったりします。お客さまによっては、社内の人とは限りません。中小企業の場合、会計ソフトやウェブ関連ツールなどの場合、会計士やコンサルタント、ウェブデザイナーなど外部の人の可能性もあります。

インフルエンサーへの対応を誤ると商談が長引いたり、契約に至らないなどが起きることがあります。購買に協力的になってもらえるよう、注意して対応していきましょう。ここでも、インフルエンサーの課題や重視していることを確認し、必要な情報を提供していきましょう。内容によって、社内のチームなど、その分野に強い人と連携して、対策を進めて行きましょう。

意思決定者のタイプ5.ゲートキーパー

例えば、BtoBであれば、受付の人が「営業お断り」ということで、担当者につないでくれないということはあると思います。つまり、ゲートキーパーとは、選定者や決裁者、購買者、インフルエンサーたちが無駄な時間をとられないよう、情報や提案をする相手が大丈夫なのかを判断し、スクリーニングする人です。

対策としては、信用を得られるよう、何を伝えるべきかを考えなければなりません。自社の商品やサービスの中身を紹介したところで意味があまりないでしょう。企業や商品・サービスの評判や信頼アップにつながる情報を提供することが大切です。例えば、「なぜ、意思決定者は私たちと話す価値があるのか?」「なぜ、私たちなのか?」「なぜ、今なのか?」などを答えられる情報を提供しているでしょうか?

意思決定者を見極める方法

そもそも意思決定者を見極めるためには、どのようにしたらよいのでしょうか?ここでは代表的な方法を3つ紹介します。

1) 相手の役割を把握する

現在、話している相手がどのような役職で、どのような役割や責任があるのかを把握することが大事です。意思決定者のタイプを知ることで、今後どのようなアプローチが適切かが見えてきます。

2) 組織図をゲットし、全体を把握する

上記1とも関係していますが、話している相手が現場担当者であれば、最終的な意思決定者は他にいるだろうと想像がつきます。このときに、組織図や社内体制の情報を見ることで、どのような承認プロセスがあり、どういう人達が関与して、どうアプローチしていくといいのかが見えてきます。

3) ヒアリングして確認する

話している相手の役職や組織図は、話を進めていく上で仮説を立てるのに役立ちます。しかし、「実際にそうなのか?」「誰が意思決定において、最も影響力があるのか?」「協力してくれそうな人は誰か?」「逆に、反対しそうな人は誰か?なぜなのか?」などをヒアリングして、仮説を検証しなければなりません。

BtoBで、相手の企業規模が大きい場合は、特にですが、着実に進めていけるよう、意思決定者や社内の購買プロセスを理解するためにも、情報収集に力を入れましょう。

意思決定者を特定し、営業・マーケティング の効率をアップ

組織や体制によって、意思決定者は変わります。また意思決定者といっても、役割も違えば、関わり度合いや関心、影響度も異なります。まずは、「購買に関与する意思決定者は誰なのか?」「どのような役割があるのか?」「何に関心があるのか?」に注意をはらいましょう。そして、相手の役割や関与度、関心事などに応じて、適切な情報提供やアプローチなどの対策を練って、戦略的に進めていきましょう。

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