セグメンテーションとペルソナづくりの違い

[ セグメンテーションとペルソナづくりの違い ]
前回は、『 バイヤーペルソナの作り方 』をご紹介しました。ただ、ペルソナを作るイメージはできたけど、セグメンテーションとは何が違うのかと疑問に持たれた方もいるかもしれません。以前、その違いについて質問されたことがあります。そこで、今回は、マーケティングセグメンテーションとペルソナづくりとの違いは何かを中心に紹介します。

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セグメンテーションとペルソナづくりの違い

セグメンテーションもバイヤーペルソナを作ることも、基本的には同じゴールを目指していると言えます。お客さまをより理解して、効果的にマーケティングを行うことです。ですが、セグメンテーションとペルソナづくりは違います。まずはこちらを見てください。

マーケティングセグメンテーション(Marketing Segmentation)をイメージ検索してみると、以下のような結果になります。

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マーケティングセグメンテーション(Marketing Segmentation)のイメージ検索の結果

バイヤーペルソナ (Buyer Persona)をイメージ検索してみると、以下のような結果になります。

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バイヤーペルソナ (Buyer Persona)のイメージ検索の結果

マーケティングセグメンテーションで検索すると、グループ分けをしているイメージ、バイヤーペルソナで検索すると、個人を紹介しているイメージが多いでしょう。すごくざっくり言えば、そういう違いです。セグメンテーションは、人口動態や地理的変数などの共通点に基づいて、お客さまをグルーピングして識別しますが、ペルソナはセグメント内の特定の個人について詳しく表現します。

ハイレベルな戦略を立てるならば、セグメントは有効だと思います。もう少し業務レベルで考えると、ペルソナの方がマーケティングメッセージやコンテンツ作りなどで役に立つと感じることがあります。この辺りをもう少し詳しく紹介します。

セグメンテーション

セグメンテーションとは、不特定多数のお客さまを、ニーズや特徴などによって細分化することです。小さなグループ、つまりセグメントに分類することで、それぞれのサイズを定量的に把握でき、また、それぞれに応じて最適なアプローチや提案が可能になります。そのセグメントに適した製品やサービス、メッセージを届けられる点ではとても有効です。

結果として、営業・マーケティングを効率的に行うことができます。お客さまのニーズの多様化が進んでおり、また競合他社との競争も厳しくなっているため、セグメンテーションは今まで以上に重要になってきています。

しかし、セグメンテーションを適切に行うには、かなりの量の調査と分析が必要です。例えば、デモグラフィック変数(人口動態変数)、ジオグラフィック変数(地理的変数)、サイコグラフィック変数(心理的変数)、購買行動特性、企業情報などです。そして、セグメンテーションを行った後に、かなりの数のセグメントがあれば、それぞれのセグメントに合わせたマーケティングを行うのは、リソース的に難しいという問題があります。マーケティングの予算によっても影響してきます。

根本的な問題としては、セグメンテーションの精度にもよるかもしれませんが、セグメンテーションをしても、実際のお客さまがどういう人かがわからず、購買に至る動機や解決したい課題は何か、またどうやってつながればいいのかなどがなかなか見えてこないことです。そこでペルソナの出番です。

ペルソナづくり

ペルソナによって、お客さまをより個人レベルで理解することができます。リサーチやインタビューなどを通じて、先述したセグメンテーションではわからない購入への動機や欲求、解決したい課題、ニーズなど、同じような特徴を持っている架空の人物像を作ります。自社にとって潜在的なお客さまです。

お客さまの立場になって、理想の顧客像であるペルソナについて真剣に考えれば考えるほど、お客さまに買っていただきやすい行動をしやすくなります。言い換えると、ペルソナを活用することで、誰のために何をするのかをより理解できるようになります。

例えば、お客さまのニーズに合わせた製品やサービスの開発を行うことができます。また、将来のお客さま(潜在顧客と見込み客)に対して、お客さまにとって役に立つ情報を効果的に提供できます。ペルソナを考慮したマーケティング活動を行うことで、お客さまにより商品やサービスを知っていただき、興味を持っていただくことが可能になるということです。

またペルソナの良いところは、正しく行うことでセグメントを改善できるということです。ペルソナを利用することで、セグメントを横断してバラバラなセグメントを一部統合できるように考えることができます。運用していき行動情報などあれば、より効果的に行えると思います。

一方で先述したとおり、お客さまに合わせたアプローチができます。ターゲティングできるということです。改善されたセグメントに対して、効果的にターゲットにリーチできるようになります。結果的に、ユーザーエクスペリエンスを改善することにつながり、より多くの見込み客や顧客を増やすことが可能になります。

企業目線で言えば、自社の商品やサービスが、どのセグメントのお客さまの課題を解決し、最も価値を提供できるのか、また競合優位性を持つことができるのかがわかると、営業・マーケティングの効率を上げ、売上アップに貢献しやすくなると言えるでしょう。

セグメンテーションとペルソナづくりの違いについてのまとめ

セグメントもペルソナも、どちらも便利なマーケティングツールです。セグメントは、ターゲットの十分な規模のグループに対してアピールするためのハイレベルな戦略を立てるのに役立ちます。一方で、ペルソナは、非常に具体的になっている理想のお客さま像であるため、より具体的で効果的なアプローチやアピールが可能になります。

業界や職業などによる細分化をしっかり行い、特定の理想のお客さま像に集中していくことで、ペルソナがより効果的に使えるとも言えます。また、セグメントだけではわからなかった理想のお客さまの課題や購入の動機などが見えてくることで、さらにセグメントも改善できます。どちらかを選択するというよりは、目的によって、両方をうまく使っていくことが大事だと思います。

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