バイヤーペルソナの作り方

[ バイヤーペルソナの作り方 ]
先日の記事で『 バイヤーペルソナ とは? 』をご紹介しました。その中で、バイヤーペルソナとは何か?からはじまり、バイヤーペルソナをどう活かすか、ネガティブなバイヤーペルソナを作ること、またバイヤーペルソナの作り方などをお伝えしました。今回は、バイヤーペルソナの作り方について、もう少し掘り下げてご紹介します。

Buyer Persona
Buyer Persona

手順1. お客さま情報のリサーチをする

リサーチ対象のお客さまとは、既存のお客さまだけではありません。購買プロセスの前半の段階にいる、製品やサービスを購入していない人たちも含みます。例えば、問い合わせや資料請求などをした見込み客、自社サイトへの訪問者、ソーシャルメディアで広告や投稿などで反応した人たちです。まずは、既存のお客さま情報についてのリサーチについてです。

既存のお客さま情報についてリサーチ

前回、B2Bのバイヤーペルソナ作りにおける主な流れと方法を紹介しました。今回は、ここの部分をもう少し詳しくご紹介します。

1. 企業一覧を集める

商品やサービスを買っていただいたお客さまの一覧情報を集めます。具体的にどのような情報を集めるかは、業界、商品やサービス、営業・マーケティングプロセスなどによって変わってきます。ですが、次のような情報をできるだけ含めましょう。

企業の基本的な統計情報

  • 企業名
  • 業界(標準作業分類)
  • 企業規模(売上)
  • 企業規模(従業員数)
  • 地域
  • 企業の経過年数
  • など

(自社にとっての) 収益情報

  • 年間の売上 (例:昨年の売上)
  • 累積購入金額 ( 顧客生涯価値 )
  • 累積購入頻度
  • 平均購入金額
  • など

2. 企業レベルで分析する

上記で収集した企業情報を次のような切り口で分析すると、製品やサービス提供の対象となる理想のお客さまセグメントが見えてきます。

  • 業界別の顧客数
  • 業界別の平均売上金額
  • 企業規模(従業員規模)別の顧客数
  • など

3. 個人レベルで分析・調査する

理想のお客さまセグメント(例えば、製造業で従業員数が300人〜1000人の企業)を絞ったら、次に個人レベルの理想のお客さまセグメント(バイヤーペルソナ)を見つけていきます。特定したセグメント企業の取引先責任者やキーマンの以下のような情報を集めます。

  • 職種
  • 役職
  • 部署
  • など

すると、例えば、品質管理のマネージャーが製品を購入・使用するキーマンということが見えてくると、バイヤーペルソナとして捉えられるかもしれません。

(2) 潜在的&顕在的見込み客の情報についてリサーチ

Google AnalyticsやFacebookのオーディエンスインサイトなどのツールを使うことで、潜在的あるいは顕在的見込み客の情報も得ることができます。例えば、次のようなものを把握できます。

  • 何歳ぐらいの人なのか
  • どの地域の人なのか
  • どのソーシャルメディアチャネルを使っているのか
  • どのようなコンテンツに興味を持っているのか
  • アクティビティの頻度
  • など

上記のようなことを把握することで、購買プロセスの早い段階では、どのような人に対して、どのようなコンテンツをどのように発信すると有効なのかが見えてきます。コンテンツやマーケティングメッセージを作る上で、特に役に立ちます。

手順2. 社内メンバーにヒアリングする

社内でお客さまのことをよく知っているのは、営業担当者とサポート担当者だと思います。バイヤーペルソナを作る意図や考えを伝え、理想のお客さま像について質問しましょう。このときに、先述したリサーチや分析によって、わかっている情報があればそれもシェアすると、より協力的になってくれると思います。

また、理想のお客さま像の悩みや問題解決に関わっている可能性が高い方、例えば、サポート担当者やカスタマーサクセス担当者に様々な質問をして、できるだけ詳細な情報を収集しましょう。そうすることで、バイヤーペルソナの悩みや課題、目標を実際の情報やデータを基に作ることができます。

手順3. お客さまにインタビューする

1. インタビューの依頼をする

インタビューを依頼する際は、まずは営業やサポート担当者からお客さまに連絡をとってもらい、インタビューの話を進められそうかどうかの確認や了承あるいは感触を得てもらうといいでしょう。その後、直接連絡をとる方がスムーズにインタビューの調整ができます。

もし初めから直接連絡を取る場合は、メールしてから、電話をかける流れでインタビュー依頼をするといいでしょう。ただ電話が難しく、メールのみでインタビューを依頼する際は、例えば、最初の一回だけではなく、数日から1週間時間をおいて再度メールするなども考える必要があります。

メールの内容も、売り込みではなく、リサーチが目的であることをはっきり伝え、インタビュー日時もできるだけ相手の都合に合わせるなどの調整は必要です。この時に複数の候補日を示したり、候補日時が登録されているカレンダーを共有したりして、やりとりの手間も減らしましょう。インタビュー対象者の人数にもよりますが、複数人との日程調整を行うと、思っている以上に時間を使うことがあるので注意しましょう。

2. インタビューを実施する

それでは、実際にインタビューを行います。何十人とインタビューしましたが、お客さまによってインタビューの進め方ややり方を変えていく必要はあります。ですが、共通事項として、事前に質問表を先にメールしておくと、インタビューは進めやすいと思います。ここでは、BtoBにおいてバイヤーペルソナを作るのに効果的な質問をご紹介します。

バイヤーペルソナを作るのに聞いておきたい質問例

BtoB向けで、業務に関する質問だと以下のようなものになります。

  • どのような事業か教えて頂けますか?事業規模なども教えて下さい。
  • 担当している業務について聞かせてください。役割や責任などを教えて下さい。
  • 所属部門は何ですか?
  • 直属の上司について教えてください。
  • 何人のチームですか?
  • 目標は何ですか?
  • 課題は何ですか?
  • 業務にどのようなスキルが必要ですか?
  • どのような知識が必要で、何のツールを使用しますか?
  • 業務で何がストレスになりますか?
  • 購入に至った動機はなんですか?新しいソリューションが必要と思ったキッカケは何ですか?
  • 製品やサービスを使って何を実現したいですか?
  • 今までは、どのように実現していたのですか?その時、どのような問題や課題がありましたか?
  • 自社の製品やサービスを使うと、どのようなメリットがありますか?
  • 比較した商品やサービスは何ですか?
  • 製品やサービスを探す上で特に重視した点は何ですか?
  • 購入を決めた理由は何ですか?
  • 購入後の効果はどうですか?
  • 購買プロセスはどのようなものですか?
  • どれくらいの方が購入に関わったのでしょうか?
  • 購入前の不安は何ですか?
  • どのように情報収集しますか?
  • よくチェックする雑誌、ウェブサイト、展示会などは何ですか?
  • 社外の人とやりとりするのに好むコミュニケーション手段は何ですか?

さらに、もう少し個人的な情報(例:最終学歴、性格の傾向)について質問をしたり、「なぜなのか?」と追加で質問し、いただいた回答を掘り下げたりしていきます。ただ、BtoBにおいて、デモグラフィック情報をインタビューで聞き出すのは難しいと思います。何気ない会話から勤務年数や職務経験を聞き出し、例えば40代と年齢を特定したり、アンケートなどを使ったりしながら、できるだけ多くの情報を集めていきましょう。

3. 回答やフィードバックをまとめる

実務的には、多少手間がかかるかもしれませんが、すべてのお客さまのインタビューを一つのシートに一覧としてまとめておくといいでしょう。すると、全体としての共通点や傾向が見えやすくなります。キーワード的なまとめ方をしておくと、フィルター機能を使うことでセグメンテーションしやすくなります。すると、例えば、この業界の人たちは、この質問に対しては、このように答える傾向があるなどが見やすいです。

「バイヤーペルソナを作るため、テンプレートを使っていきましょう」みたいなことはよく言われていますが、地味な作業ですが、一覧でまとめるみたいなことを言う方はあまりいません。ただ、複数の人を実際にインタビューしていくと、このようなまとめは結構役に立つと思いますので、おすすめです。
あと、一つのシートにまとめておくと他の方と共有しやすいメリットもあります。(詳しく知りたいという人もチームにいると思いますので)

手順4. バイヤーペルソナ を作る

上記のような質問に対する回答から共通点やポイントを見つけます。そして、次のようなテンプレートを使って、バイヤーペルソナを作っていきます。

Buyer Persona
Buyer Persona

テンプレートの中身についてですが、自社が提供する商品やサービス、お客さまの組織や業界などによっても多少変わってきます。決まったものを使うのも手ですが、上で紹介したテンプレートもそうですし、ネットで見つけられるテンプレートも参考までにして、自社にあうようにカスタマイズしていくといいと思います。

基本的な考え方としては、「バイヤーペルソナは、できるだけ詳しく書きましょう」です。しかし、どのレベルまで掘り下げて情報が集められるのか、現実的にできるできないという問題があります。またインタビュー数が増え質問数が多いと、まとめるのも難しくなります。そのため、特に、はじめてバイヤーペルソナを作るときは、ある程度割り切って、バイヤーペルソナを作っていくのが大事かと思います。

例えば、上記のテンプレートでも「最終学歴なんていらない」と思えば、その部分はなくす。もし仮に勤務年数が必須だと判断すれば、そこは追加するといいと思います。バイヤーペルソナを効率よく作るためにテンプレートを使うのであって、テンプレートを使うことが目的になってはいけません。そこだけは注意してください。

手順5. バイヤーペルソナ を社内で共有する

これでバイヤーペルソナができました。早速、バイヤーペルソナを活用する人たちや、先述ヒアリングをした社内メンバーにバイヤーペルソナの情報を共有しましょう。バイヤーペルソナとは何か、どのように使えるのかなどです。必要があれば、バイヤーペルソナの作り方も共有しましょう。そうすることで、今後の改善に参考になるフィードバックももらえるかもしれません。

また、営業チームとバイヤーペルソナについて認識を合わせていくことは重要です。マーケティング活動によって質の高い見込み客を獲得しようとしていることを営業チームに知ってもらうことで、営業とマーケティングチームがより協力し合うようになります。営業・マーケティング全体の効率を上げることができます。

手順6. 運用しながらバイヤーペルソナを修正していく

最初に作ったペルソナを基にマーケティング活動を行っていくと、見えてきたバイヤーペルソナが、当初想定していたものと違うということもあります。また、営業やサポート担当者からもフィードバックがあるかもしれませんし、お客さまと話す機会があれば、新たな情報を得られるかもしれません。そのため、定期的に社内チームと共有しながら、必要に応じて修正し、改善していくことが大切です。

バイヤーペルソナの作り方: まとめ

バイヤーペルソナを作るのは、マーケティングをする上でとても大事なことです。お客さまの課題や悩みを解決する商品やサービスづくりに役立ちます。お客さまに自社の存在、商品やサービスを知っていただく、興味を持っていただく、欲しいと思っていただく、買っていただく、満足していただくを加速させます。

あと忘れていけないことは、バイヤーペルソナは必ずしも今、実在しなくてもよいということです。つまり、将来のお客さま像も含めた、自社にとって潜在的なお客さまの特徴を体現する架空の人物像です。そのため、最初のバイヤーペルソナ作りは、既存のお客さまや顧客管理システムの実データを基に作る方がいいと思います。

ですが、その先は、例えば見込み客にインタビューをする。また、新しい市場を検討している場合、そこに詳しい人にアンケートやヒアリングをするなどして、将来のお客さま像を描くことも大切です。
バイヤーペルソナなしでマーケティングをするのは難しいものです。しっかりと作っていきましょう。

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