前回の『 今さら聞けない「 コンテンツマーケティング とは?」 』では、コンテンツマーケティングの基礎について解説しました。今回は、「 コンテンツマーケティングのメリットと課題 」をご紹介します

コンテンツマーケティングのメリットと課題 について
コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって価値があるコンテンツを提供し、最終的に売上を上げることができる、好まれるマーケティングというイメージがあるかもしれません。企業目線ではなく、お客さま目線でのマーケティングという視点で。
では、コンテンツマーケティングを導入すれば、どんなメリットと課題があるのかについて詳しく説明していきます。
コンテンツマーケティングのメリット
+ コンテンツは資産になる
広告は、ある意味、消費です。広告データは残りますが、それを再び使わない限り、それ以上の価値がありません。コンテンツは資産になります。また経営者の視点で考えると、社員は辞めるかもしれませんが、コンテンツは半永久的にサイトに残るため、資産となります。また、その蓄積されていくコンテンツ(資産)により、お客さまとの接点が増え、費用対効果も改善していくことが期待できます。
+ 専門家として知ってもらい、信頼される
ある分野において一貫性のあるコンテンツを発信し続けていると、まわりの人は「この分野の情報なら、このサイトを見ればいい」というふうに思うようになっていきます。また、「専門性のある会社」「まじめに継続的に情報発信する会社」というように認識されていきます。その結果として、その分野の専門家やプロとしての立ち位置を確立することができるのです。結果的に、サイトのブランディングだけではなく、自社のブランディングにもつながっていきます。
+ 潜在的なお客さまとの接点が広がる
広告の場合、例えば、製品やサービスを購買したいと思っていたり、欲しい製品やサービスを他のものと比較したりしている人(顕在顧客)に対して有効です。自分たちのニーズや課題を把握し、購買を検討している方が多いからです。
しかし、この売り込み意識の強い広告は、一時的には購買につながるかもしれませんが、将来にわたる継続的な購買には貢献しません。企業に魅力を感じるというよりも、お得なキャンペーンの広告に反応してだけのため、リピーターになるということは期待しにくいです。
またニーズがはっきりしていない潜在的なお客さま(潜在顧客)に対しては、なかなかリーチすることが難しいです。
一方で、コンテンツマーケティングをすることで、潜在的なお客さまに気づき、興味を持って頂けるキッカケをつくります。情報を発信し続けることで、お客さま自身が気づいていないニーズを掘り起こすことが可能です。
また一般的に顕在顧客よりも潜在顧客の方が多いと考えられるため、そのような潜在顧客にリーチできるよう、アプローチも変えていく必要があります。ただ単にコンテンツマーケティングをするのではなく、今の段階でその人たちに役立つ、興味をひくコンテンツを作っていくことが大切です。
+ ビジネスの対象地域を広げられる
コンテンツマーケティングにより、地元の、あるいは近所の企業だけではなく、日本全国のお客さま、遠方のお客さまに対してもリーチできるようになります。幅広い地域でのビジネス展開が可能になります。また、海外市場に対しても、コンテンツマーケティングによるチャンレンジ、テストマーケティングも可能になります。
+ 集客システムを構築できる
コンテンツを作って、増やしていくことで、より多くの人に知っていただける機会を作ります。さらに興味を持っていただけるコンテンツを作り続けることで、潜在顧客からの問い合わせを増やします。
+ 信頼ある、いい関係を作っていける
お客さまに役に立つ情報を発信し続けることで、「いいサイトだ」「いい会社だ」みたいな印象を持っていただき、お客さまといい関係性を築くことができます。ここでいうお客さまとは、潜在的な顧客や見込み客だけではなく、すでに商品やサービスを買った顧客も含まれます。結果的に、顧客のロイヤリティ(愛着や信頼)を高められます。
+ 低予算で情報発信を始めやすい
コンテンツマーケティングは、ほとんどお金をかけずに始めることができるのが特長ではないでしょうか。一般的な広告宣伝であれば、資金力の差が勝敗を決めてしまうことがあります。たとえば、リスティング広告であれば、資金力のある大手企業のほうが優位になりやすいです。
しかし、コンテンツマーケティングであれば、広告にたくさん投資できる資金がなくても、たとえば、ウェブページの制作や運用費ですむため、長期的に安定してコンテンツづくりをして、集客システムをつくっていくことができます。
+ 情報が拡散されやすい
ユーザーに役に立つ、あるいは面白いコンテンツであれば、TwitterやFacebookなどのSNSでシェアされ拡散される可能性があります。またメールで会社の人や同僚に紹介してくれることもあります。自然検索だけではなく、SNSや口コミなどからの流入増加も期待できます。
コンテンツマーケティングの課題
− 結果が出るまでに、時間がかかります
まずコンテンツの公開まで多少の時間を見ておく必要があります。例えば、企画をして、誰を対象にするのか、どういうコンテンツを発信するのかなどを考える必要があります。そして、実際に記事の制作や内容のチェックなどの作業もあります。この準備や制作は戦略的に進めることである程度改善できますが、多少の期間を見ておくといいと思います。
それよりも、一般論としてですが、コンテンツマーケティングは、有料の広告などと比べると、結果が出るまでに時間を必要とします。ウェブページが上位表示されるまで、地道にコンテンツを作り続け、SEO対策もしていかなければなりません。
気をつけなければならないのは、1ヶ月、2ヶ月とコンテンツマーケティングをはじめたのに、結果が出ないと途中でやめてしまうことです。確かに必ず結果が出ると保証されているわけではありません。しかし、これはもったいないです。
コンテンツマーケティングをやっていくと、思っているより集客が伸び悩んだり、顧客に結びつかないなどの課題は出てくるかもしれません。ですが、自分たちで改善できるのがコンテンツマーケティングの良さです。効果などを確認しながら、忍耐強く、コンテンツを作り、改善し続けていくことで、中長期的なビジネスへの貢献につながるでしょう。
− 魅力的なコンテンツの継続的な制作が難しい
定期的に、良質なコンテンツをつくり、発信することは大事だと誰もが思っていることだと思いますが、実際に言うは易く行うは難しです。まず、お客さまが求めている、役に立つコンテンツをわかっていなければなりません。そして、実際に数千文字の文章を書き続けるというのは、慣れていないとハードルが高いかもしれません。
そのため、コンテンツマーケティングを外注化する企業は割とあります。カタログをつくる時にデザイン会社に依頼するように、コンテンツをつくるときは、その専門性の高いコンテンツを作れるところに依頼するというものです。そうすることで、コンテンツの設計から、継続的につくり、配信していけるので、効果が期待できるでしょう。
− 他にも、さまざまな難しさがあります
一般論として、コンテンツマーケティングの目標を決めること、引き込みたいお客さま像(ペルソナ)やカスタマージャーニー(購買プロセス)をどう設計するのか、どのようなプランでコンテンツを作っていくのか、どのような方法や形でコンテンツを提供すると効果がいいのか、どのように効果測定をするのかなど、実務をする上での難しさはあります。
腰を据えて、コンテンツマーケティングに取り組む
『今さら聞けない「コンテンツマーケティングとは?」』でも触れましたが、コンテンツマーケティングをやらないというのは、今後の営業・マーケティングにおいて致命傷になるかもしれません。
情報過多のこの時代、また多くの人が売り込みにうんざりしていること、Googleの検索が良質のコンテンツを高く評価しているなどのことなどを踏まえると、お客さまの役に立つコンテンツは求められています。
ただし、コンテンツマーケティングは戦略や計画、設計などをきちんと実践することが大切です。また、結果が出るまである程度の時間がかかります。そのため、お客さまに響くコンテンツを発信続けるのには、根気と継続的な改善が必要です。将来の価値あるメディアをつくるため、また集客システムをつくりあげるため、中長期的な視点を持って、腰を据えてコンテンツマーケティングに取り組んでいきましょう。
コンテンツマーケティングのメリットと課題
