オンライン商談でよくある失敗やミスとその対策

[ オンライン商談でよくある失敗やミスとその対策 ]
これまでに、「 オンライン営業入門: オンライン営業とは 」「 オンライン営業のメリットと課題 」「 オンライン商談 をする前に意識したい10のポイント 」などでオンラインの営業について触れてきました。今回は、オンライン商談でよくある失敗やミスとその対策についてご紹介します。

失敗

私たちは失敗から多くのことを学びます。そして改善していきます。ですが、避けられるものは事前に避けたいものです。オンラインの商談においても、できるだけ事前に避けたいミスや間違いがあります。

対面型だけではなく、オンラインでも商談を進めていくと、今まで以上にいろいろなことを意識し、準備や対策が重要になります。そこで、今回は、できるだけ避けたい、よくある失敗やミス、その対策などについて紹介していきます。

オンライン商談でよくある失敗やミスとその対策: 環境や準備編

不十分な照明と配置

いわゆる「暗い顔」になるというものです。窓を背にした「逆光」状態かもしれません。シーリングライト、特にダウンライトによって、ちょっと不快な影をつくっているかもしれません。光量が不十分な照明、あるいはその配置の仕方などが問題かもしれません。そうならないように、オンラインの商談の際は、自分自身をきちんと映すためにも照明やカメラの配置は大事です。

自然光や今ある照明などの光源を踏まえてカメラを配置する、あるいは、追加でライトを増やすなどの対応が必要です。理想的には、最も明るい光源がカメラの後方のやや上部にあり、均一的に照らされている感じがいいと思います。また、ソフトウェアなどの自動バランス機能を使うなどして調整してきましょう。

見た目に注意を払わない

お客さまとオンラインで商談や面談をする際は、対面型のミーティングがある感覚でのぞみましょう。Web会議の場合、割とカジュアルな服装で参加することはあると思います。多くの人は、ビジネスカジュアルであれば、それほど気にしないでしょう。Web会議の利用に関する実態調査でもそのような結果が出ています。しかし、気にする人も少なからずいます。そのため、みんなが服装を気にしないと決めつけたり、油断したりしないことです。

例えば、服装の場合、相手に応じて、スーツを着たり、ジャケットを羽織ったりなどを考えるでしょう。ですが、Web会議の場合、それだけではありません。背景の色とのコントラストなども考慮する必要があったりします。常に相手の立場になって、相手が受けるあなたの印象を考えることは重要です

商談や面談に適さない背景

Web会議の場合、画面に映っている自分自身だけではなく、背景も含めて、自分というものを映し出しています。そのことを忘れてはいけません。
在宅勤務の場合、自室や自宅の様子が映りこむ場合があります。自宅からでなくても、カフェやコワーキングスペース等、社外から参加している場合でも周りの環境が写り込んだりします。お客さまとのやりとりでは、相手の気をそらすようなことは避けなければなりません。

バーチャル背景を使用している人も多いと思います。ですが、バーチャル背景自体がお客さまとのやりとりに適していないこともあります。たとえば、その前の社内のチームミーティングでカジュアルな背景に変えて、そのままの状態で次のミーティングに参加するということもあったりします。

背景もお客さまが見ているご自身の一部です。バーチャル背景を使うときは注意しましょう。単純な対策としては、バーチャル背景を使わずに、シンプルな壁やカーテンの前から参加する、あるいはパーテーション/衝立を使用するといいと思います。

まわりがウルサイ

まわりの人の話し声、近くで吠える犬の鳴き声、救急車のサイレン、工事の騒音など、非常に気が散ります。相手の声が聞こえないという場合もあれば、相手に不快な音を届けることもあります。ソフトウェアのノイズ除去機能を使い、またノイズキャンセリング対応のマイクやヘッドセットを使って、できる範囲で対応していましょう。

また、環境に関係なく雑音やノイズが入る場合は、サウンドデバイスが正しく接続されていないこともあります。例えば、ジャック部分の接触不良や劣化、あるいはマイクスピーカーの設置場所などが原因かもしれません。事前に動作確認をしっかりしておきましょう。

通知をつけっぱなし

Web会議中に、「チャラーン」「ピローン」と音がなったり、画面共有中に予定のリマインダーやアプリ、メールから不意に通知があったりすると気まずいものです。見られたくないメールの概要が映し出されることもあります。
気が散ってしまい、参加者の集中力を削ぎます。通知がオフになっていることを設定画面から確認しましょう。

Web会議がスムーズに行える準備や伝達不足

お客さまにとって、Web会議に参加できない、画面が見えない、声が聞こえないなどのトラブルが発生して、開始が遅れたり、参加を諦めるたりするほど、イライラさせられることはありません。みんながWeb会議参加に慣れているわけではありません。

お客さまとの商談や面談がきちんと行えるためにも、相手に応じて、事前にWeb会議がスムーズに行えるよう、無理のない範囲でサポートしていきましょう。例えば、Web会議ツールの導入、カメラやマイクなどの動作確認、通信状況の確認などをヒアリングシートなどを使って行わせてもらいましょう。また、当日のトラブルに備え、直接通話できる電話番号を教えてもらったりしておくといいでしょう。

準備や計画が足りない

オンライン商談の場合は、対面型よりも、短い時間の中で効率よく、また効果的にお客さまにわかりやすく伝える準備やプランが必要です。まず、「文字が小さすぎて見えない」とか「全体的にごちゃごちゃしていて、よくわからない」といったような資料は、作り直す必要があります。オンラインで使う資料、つまりプレゼン資料は、印刷された読み物と使われ方が違うからです。

状況に応じて柔軟に進めていくことは大切ですが、例えば、どのタイミングでどの資料を見せるのか、その資料を見せるときは、どのようなトークをするのかなど、当たり前のことだとしても、営業資料を整備したり、事前にシミュレーションしたりしておくことは大事です。オンラインでの目的のないやりとりは、対面型と比べ、許容されにくいので注意しましょう。

より現実的な話ですと、お客さまは事前にネットを通じて多くの情報を収集し、調べています。そのため、お客さまが知りたいところだけを端的に質問されるケースも増えているかと思います。そのため、今まで以上にお客さまのことを調べ、どういう質問がくるかを考え、準備しておくことが重要です。

オンライン商談でよくある失敗やミスと対策: 商談中

適切な信頼関係を築いていない

対面型の商談や面談の場合、最初に名刺交換をして、天気やニュースなどの世間話をしてから、「では本題の●●について…」のような流れで、始めることができます。しかし、オンライン商談では、接続や音声が確認できたら、すぐに本題に入ってしまいまがちです。なかなかお互いを知ろうとする機会を作るのが難しかったりします。

また、商談中も「空気を読む」「一を聞いて十を知る」のような、非言語のコミュニケーションやニュアンスを読み取るのは難しいものです。発言がかぶったり、譲り合って沈黙が続いたり、対面型と違う難しさがあります。そのため、少しでもいい関係を築こうと能動的に取り組もうとすることが大切です。

相手との距離感を縮めるためにも、まずは、商談の時間をつくっていただけたことへの感謝を伝えましょう。そして、自己紹介をしながら、少しでも自分がどういう人間で、どのように貢献できるかを知ってもらいましょう。いきなり本題に入る商談と比べれば、より近い距離感で話し合うことができるでしょう。

じっとしている

Web会議ツールを使ってやりとりをしていると、参加者によっては、まったく動きがない人がいます。写真のような動きのない表情だったり、頷きや手などの動きもほとんどなかったり、感情もよくわからなかったりします。先程も述べましたが、相手に気持ちよく参加して、話していただくためにも、対面の時よりも、大きくうなずいたり、リアクションをしたりすることも意識してみましょう。

話しすぎる

オンライン商談だからというだけではないですが、言いたいことを言うというスタンスはよくありません。お客さまの立場になり、お客さまが抱えている課題や悩みをどう解決できるかというスタンスで会話をしていくことが大切です。

要するに、お客さまに話していただくことが重要です。相手が理解しているかの確認を含め、質問を増やしましょう。今まで以上にお客さまのことを事前に調べて、お客さまが抱えていると思われる課題や悩み、またあるべき理想の状態などについて、質問していくといいでしょう。

また、大きく相槌を打ったり、少しオーバーにリアクションや表情をしたりして、相手が話しやすい環境を作ったりするのも大切です。

お客さまの言葉以外のサインに注意を払っていない

オンライン商談中は、お客さまのボディーランゲージをしっかり見ましょう。オンラインのやりとりでは、集中力の維持をするのは難しいものです。「ながら」作業など、簡単に他のことに意識がいってしまいます。そのため、ちょっとでもお客さまが話に集中していない、あるいは他のことに注意を払っていると感じた場合は、動画を使ったり、質問をしたり、意図的に1秒など間をとって話したりして、お客さまの注意をひきつけることを意識しましょう。

自分の行動で相手の集中力を削いでしまう

例えば、スマホをチラッと見たり、別のモニターを見たりしていると、それを見ている聞き手としては、なかなか話を聞くことに集中できません。自分から商談をダメにするような行動は避けなければなりません。

ミュートの管理

商談や面談などの大事なWeb会議で、「ミュートになっていますよ」は売り手としては、聞きたくない言葉です。雑音やノイズが入らないように対応することは大事ですが、プロとして、ミュート機能については注意して使っていきましょう。

ビデオ機能をオンにしていない

ビデオをオンにして、顔を出すことは、相手とのつながりを作り、信頼関係を築いていく上で、とても大切です。自分だけではなく、お客さまにもビデオをオンにしていただくことが大事です。顔を出してもらえない場合、「とりあえず話を聞く」という感じになってしまい、商談という点においては、なかなかうまくいきません。

顔を出してもらうのをお願いするのかしないのか、意見が分かれるところですが、基本スタンスとしては、お願いすべきでしょう。まずは、商談前にビデオをオンにしてくださいとお願いしましょう。お願いしにくい関係や状況であれば、少なくとも、こちらはビデオをオンにして参加することを知らせておくといいでしょう。相手の方もビデオをオンにしていただける事が多いです。

それでも、相手の方がビデオをオンしなしないことはあります。ただ、相手の事情や状況もあったりするため、この辺りは柔軟に対応することが大切です。例えば、セキュリティの関係でカメラ機能を使わないようにしている企業もあります。

ビジュアルを使用しない

オンライン営業や商談のメリットの一つは、簡単にイメージや動画などを相手に見せることができる点です。言葉の説明で難しいところを動画などを使って、やりとりすることで、より効果的に伝えたいことが伝わります。

お客さまに主導権が握られている

商品やサービスを販売をする際は、自分たちが主導権をもって、商談を進めていく必要があります。その業界や分野のプロとして、専門家ではないお客さまをリードすることは大切です。有益な情報や役に立つ情報、アドバイスを提供し、話し合いを進めていくことによってさらなる価値を提供できます。

オンライン商談でよくある失敗やミスと対策: 商談後

フォローアップをしない

展示会やセミナーでもよくあることですが、その場でのやりとりでは、すごく盛り上がったのに、後日連絡してみると、お客さまのテンションが低かったり、話した内容を覚えていないということがあります。

オンライン商談も、これを前提に対策をしていく必要があります。お客さまに忘れられないように商談時のポイントや資料を送ったり、役に立つ情報を追加でおくったり、頻繁にコミュニケーションを図り、フォローアップしていくことが大切です。

まとめ

オンライン商談でも、対面型の商談と基本的なところは変わりません。お客さまと信頼関係を築いていくことは重要です。お客さまの課題を解決すること、ニーズに応えること、お客さまに有益な情報や価値を提供することは大事なことです。

オンライン営業をしていくと、今までそれほど気にしなかった課題や問題が発生します。ここで紹介している失敗やミス、間違いを参考に、しっかりと準備して、回避して、最大の成功を収めましょう。

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