[ バイヤーペルソナづくりのためのお客さま調査 ]
バイヤーペルソナは、お客さまへのインタビューやアンケート、社内チームへのヒアリング、顧客管理システムなどを活用して作っていくということを紹介してきました。今回は、オンラインツールを使って、より現実に近いお客さま像を掴んでいきたいと思います。
お客さまって誰なんでしょうか?
ちょっと前に、ある若い営業担当者から「自社製品の宣伝のためにTwitterをやろうと考えていますが、どう思いますか?」と聞かれたことがあります。「やらないより、やった方がいいかもしれません。ただ、そもそも、お客さまってどういう人たちですか?」と聞いたら、「えーっと」の後、突然沈黙になってしまったことがありました。
お客さまのことを理解するのは難しい
「お客さまのことをわかっている」という当たり前のようで当たり前でないこと。お客さまのことを理解するのは難しいものです。私の周りの方にも聞いてみましたが、「お客さまのことを知るのは本当に難しい」という答えが返ってきます。今回は、お客さまについて少しでも知ろうということで、オンラインツールを使ったリサーチについてご紹介します。
Google アナリティクス を使って調査
それでは、Google アナリティクス を使って情報を集めていきます。Google アナリティクスを使うと、人口統計学的なデータからインタレストなど、さまざまな情報を得ることができます。
例えば、ユーザー属性のレポートから、訪問者の年齢(年代)や性別がわかります。すると、メインのユーザー層はアラフォーだと思っていたのが、実はサイトへはアラサーの訪問者が多いとか、男性の方が興味を持つ内容だろうと思っていたものが、以外にも男性女性半々のアクセスがあるなど見えてきます。
地域のレポートを見れば、訪問者のアクセスエリアがわかるため、どこのエリアの方の反応が多いのかが見えてきます。また、インタレストであれば、一般的な趣味嗜好の情報を得ることもできます。提供している製品やサービス、コンテンツや情報などにより偏ることもあるので、それを意識して見る必要はあると思います。
どれくらい反応や行動があるのか
アナリティクスを使って訪問者情報を見ていくと、先述したとおり、主な訪問者はどういう人たちなのかを理解するのに役立ちます。さらに大事なことはどのような人がより関与し、反応しているかを知ることです。例えば、先程の例で言えば、アラサーの方の訪問が多くても、実際に問い合わせなどコンバージョンしているのは、アラフォーであることがわかったりもします。
ソーシャルのレポートから、どのSNSからの流入が多いなどがわかります。さらに行動のフローを見ていくと、どのページに興味があるのかも見えてきます。つまり、どこから来て、どのような内容に関心を寄せているのかなどがわかってくるため、行動から興味や心の動きのようなものがイメージしやすくなります。ユーザーの興味あるコンテンツを作りやすくなるとも言えます。
あまり深くは入りませんが、新しいセグメントを追加して、いろいろな切り口で分析していくことで、ペルソナづくりに参考になる情報を集めることができます。また、ここで得た情報は、ペルソナづくりだけではなく、例えば、広告を出す媒体を検討する際や、何かしらのイベントを行う際の地域を選ぶ際などにも参考になるでしょう。
Facebook オーディエンスインサイト を使って調査
Facebookでオーディエンス(利用者グループ)を設定してあると、オーディエンスに関する詳しいデータを確認することができます。例えば、自社のFacebookページに興味を持っている人たちを対象グループにするみたいな感じで、オーディエンスを設定してあると、次のような情報を知ることができます。
- 年齢
- 性別
- 地域
- 趣味・関心
- つながり(Facebookページとのつながり)
- 交際ステータス
- 学歴
- などです。
Facebookのオーディエンスについてもっと知る
オーディエンスを設定していなくても、左側のメニューで、フィルタリングをしていくことで、例えば、興味ある分野を指定することで、対象としているユーザーの情報を手に入れることができます。
この図は、興味・関心で「マネジメント」を指定した際の結果です。男性比率がかなり高く、学歴においても大学院や大学の率が高いことがわかると思います。
さらに違うタブを見てみると、例えば、ページへの「いいね!」を見ると、このオーディエンスに合うと推測されるFacebookぺージがチェックできます。このような調査をすることで、オーディエンスがどのような人たちかを知るだけではなく、広告やコンテンツづくりにも参考になります。
まぁそもそも、広告を見てもらいたい人に広告を表示するため、オーディエンスをターゲット設定するので、というものですからね。。さらに広告のターゲット設定オプションの1つで、Facebook利用者の中からお客さまを見つけ出す機能として、カスタムオーディエンスも提供されています。逆に言えば、これらを有効に活用したいものです。
Linkedin の統計データを使って調査
BtoBであれば、Linkedinの統計データ活用も考えてもいいかもしれません。ウェブサイト統計データの設定をすると、他のSNSサイトとは違う、以下のような情報を手に入れることができます。
- 職務タイプ
- 役職
- 会社
- 会社業種
- 職務レベル
- 会社規模
- 場所
- 国/地域
- 都市/郡
順番的には、先にLinkedinのキャンペーンマネージャーから広告用のアカウントを作成する必要があります。広告の結果も同様な切り口で、統計データを見ることができるので、どのような会社や人が反応したのかを含め、ユーザーについて学べることは多いです。
ただ、過去に実施した結果や調査した情報を踏まえると、欧米と比べ、日本だけではなく、アジアは全体的に期待するより費用対効果は高くない思います。日本国内に関しては継続的にチャレンジして、さらに改善できないか、もしくは媒体の特性なのか見極めていきたいと考えています。
バイヤーペルソナづくりでの活かし方
今回は、Google アナリティクス、Facebook オーディエンスインサイト、Linkedin 統計データなどの活用について解説してきました。
これらのツールを使って得た情報だけではバイヤーペルソナを作るのは難しいかもしれません。ですが、社内チームへのヒアリング、社内にある顧客データ、お客さまへのインタビューやアンケートなどを掛け合わせることで、よりリアル感のあるバイヤーペルソナを作り出すことができます。
また、媒体に合わせたコンテンツやメッセージづくりなどにも役に立つと思います。いろいろなツールを使って情報を集め、誰に対して何を提供するのかを常に意識していきましょう。そして、営業・マーケティング効率を着実に高めていきましょう。