[ コンテンツマーケティングのチャネル プランを立てる ]
先日、『コンテンツマーケティングのコンテンツの種類とは?』と『コンテンツマーケティングの企画 & 戦略を立てる準備』などを紹介してきました。
今回は、コンテンツマーケティングにおいて、コンテンツをどのように発信していくのか、チャネルに焦点を当ててご紹介します。最初にお客さまとの接点やチャネルなどの、現在の状況を把握します。次にどのようなコンテンツをどのように発信するのかを決め、プランニングしていきます。
コンテンツマーケティングのチャネル を考える
チャネルの現状分析をする
まずは企業サイトや自社が運営しているポータルサイトなど、メインとなるウェブサイトの分析をして、オンラインでの状況や存在感を把握しましょう。そうすることで、どこに焦点を当てるのか、どこを強化していくのかなどを考えるきっかけになります。
例えば、Google Analyticsから、「どこからの流入が多いのか」「自社のコンテンツがどのソーシャルメディアでシェアされているのか」など、いろいろなヒントがあります。これらの情報を使用すると、たとえばエンゲージメントやコンテンツのシェアを増やすために、どのネットワークやサイトを活用しようなども見えてきます。
チャネルの目的を考える
カスタマージャーニーや購買プロセスを意識しながら、コンテンツマーケティングのチャネルの目的や狙いを考えます。例えば、チャネル分析をした結果、Facebookページがウェブサイトへの集客や見込み客獲得に貢献していることがわかったとします。それを踏まえ、Facebookページの主な目的を新規ユーザーの流入を増やすためとすることができます。
すると、購買プロセスの最初の段階で、積極的にFacebookを使っていこうということになります。さらに、Facebookのコミュニティを大きくする方が良さそうだみたいなアイデアも出てきて、ページへの「いいね!」を増やすことを最初の目的として考えるかもしれません。このように、コンテンツマーケティングのチャネルの目的や狙いを踏まえ、何をやる必要があるかを考えることが大切です。
コンテンツ計画を立てる
ここでは、どのようなコンテンツをどのように届けるかを考えます。つまり、お客さまに届けたい情報を、どのチャネルを使って発信するかです。基本的には、まずは自社のコーポレートサイトやポータルサイトなどで、お客様の役に立つコンテンツを発信しましょう。いわゆる、SEO対策をしましょう。これは、コンテンツマーケティングにおける情報発信の中心となります。そして、それを加工して、他のところでも展開していくことになると思います。
そのため、コンテンツ発信の全体的な視点での成果を考えると、ブログや記事、技術資料や調査レポートなどのキーコンテンツを作ることに力を入れることはとても有効です。さらにチェックリストやワークシートなどもダウンロード資料として提供することで、さらなる見込み客獲得にもつながります。また、例えば、滞在時間や離脱率の改善をするために動画コンテンツを増やすなどもチャレンジしてもいいかもしれません。
そして、ペルソナやカスタマージャーニーを踏まえて、自社のサイト以外でも加工したコンテンツを発信したり、あるいは同じコンテンツをダウンロード形式で提供したりしていきます。このあたりは、チャネルの目的や特徴にもよると思います。実際に試して効果測定を行い、コンテンツ自体を修正したり、コンテンツの種類を変えてみたりなど、改善を続けていくことが重要です。
コンテンツの種類の詳細については、「以前の記事(『 コンテンツの種類とは? 』)」を参考にしてください。どのような情報をそして、上記のお客様に常に伝えたいことを決める
コンテンツマーケティングのメトリクスを設定する
メトリクスとは、マーケティング施策の効果や効率を定量的に表した指標です。メトリクスを活用することで、施策のゴールが明確になり、施策がうまくいっているかどうかのチェックができます。つまり達成度を確認できます。また、メトリクスをチームで共有することで、チーム内で施策の成果や状況、問題などにおいて共通認識が持てるため、チームでの対策もしやすくなります。
コンテンツマーケティングにおけるメトリクスは多岐にわたりますので、代表的なものをここでは紹介します。集客段階においては、活動視点での記事数もあれば、自然検索からの流入数、PV(ページビュー)やUU数(ユニークユーザー数)、SNSシェア数などは、コンテンツを知ってもらう上でのメトリクスとして設定できるでしょう。見込み客獲得数、ダウンロード数や問い合わせ数などは必ずチェックしたい項目です。
また、見込み客の育成視点だと、ウェブサイトにおける滞在率や離脱率なども活用できます。メルマガであれば、クリック率などもエンゲージメントを考慮すると参考になります。また販売段階を考慮すれば、商談数や商談化率、成約数、成約率など有効でしょう。購買後もリテンションやSNSシェア数、顧客限定のキャンペーン参加なども参考になります。
そして、チャネルに絞ったメトリクスを設定することは実務をする上では重要です。先程のFacebookのコミュニティを大きくする話だと、例えば、Facebook動画に力を入れる前段階として、まずは現在行っている長文の投稿に力を入れ、次の3ヶ月で1,000いいね!を獲得することを目標にするということもできます。
ここで大事なことは、各施策の目標を具体的にして、メトリクスを活かし、タスクレベルで改善を行っていくことです。全体が何となくわかる指標をただ見ているだけでは意味がありません。最終的なゴールを達成するため、成果を出すために適切なメトリクスを使って、目の前のコンテンツマーケティング業務をしっかりと進めて、改善していきましょう。
CTAも忘れない
CTAとは、Call to Actionの略で、お客さまに取ってもらいたい行動を呼びかけるものです。例えば、カタログをダウンロードしてもらう、ウェビナーに申し込みしてもらうといった行動を喚起するものです。ウェブサイトやHTMLメールなどであれば、ダウンロードボタンやリンクなどによって設定されています。お客さまが購買に向かう上で、それぞれのチャネルでCTAをきちんと用意しないと、次の段階に進んでいけず、最終的な購買につながっていきません。CTAは成果を出す上で重要ですので、効果を測定しながら、CTAもしっかり改善していきましょう。
バイヤーペルソナを再度意識する
この段階までくると、誰向けに、どんなコンテンツの種類で提供するかが見えてきます。あとは具体的にどう進めるかについて決めるだけなのですが、できれば、その前に再度、コンテンツマーケティングのチャネルプランの全体像を見て、最も意識したいペルソナにきちんとコンテンツ提供できるチャネルプランになっているかを確認しましょう。
全体的なプランを練られる人が陥りやすいのですが、作り手目線で全体のチャネルや目標ばかりを意識しすぎると、もっとも意識したいペルソナへのコンテンツ提供が甘くなるプランになることがあります。必要に応じて、調整しましょう。ペルソナを意識したメリハリのあるチャネルプランを作っていきましょう。
コンテンツ制作のリソースとワークフローをマネジメントする
実際にどのようにコンテンツ制作を進めていくかですが、次のようなことを明確にしていく必要があります。
コンテンツ制作や更新をする担当者や役割は明確になっているか?
- 誰がコンテンツを作るのか?
- 誰がレビューをするのか?
- 誰が承認するのか?
- 誰がコンテンツを公開するのか?
コンテンツを作る上で、どのようなリソースが必要か?
- 今いるメンバーでコンテンツをすべて作れるのか?
- コンテンツの種類によって外注するのか? 例)動画、デザインなど
- 動画やインフォグラフィックを制作する場合、専用のソフトウェアや機材を購入するのか?
コンテンツの公開フローは決まっているか?
例えば、ブログや記事であれば、次のような流れになるでしょう。
- 大枠の流れを作り、承認をもらう
- 原稿を書く
- レビュー依頼し、フィードバックをもらう
- 並行して、イメージを制作依頼する
- フィードバックを基に修正する
- 最終版をアップロードする
- コンテンツカレンダーに合わせて、公開する
このように、誰が何をやるのかのワークフローを明確にして、コンテンツ制作から公開まで効率良く進めていきましょう。