令和上司: 「 モチベーション 」という言葉に振り回されない

令和上司: グローバルで活躍する行動特性を持ち、令和の時代に求められるべき実力を備えた上司のこと

「モチベーション」という言葉に振り回されない

「モチベーション」は組織が成功する要因の一つです。しかし、私たちは部下との仕事で「モチベーション」という言葉を使わない方がいいでしょう。「モチベーション」という言葉は人によって解釈が違います。モチベーションを「頑張るための理由」として使っている人は多いと思います。あなたの周りはどういう意味で捉えていますか?

本来、モチベーションは目標や理想に向かって行動を起こす力です。

例えば、「目標を達成したいから」「いい結果を出したいから」あるいは「成長したいから」やりたいと、自ら積極的に動きたくなる気持ちを起こさせるものです。

「モチベーションが低いからやりたくない」というのは、できない「言い訳」です。

多くの場合、モチベーションが低いからではなく、実力がないからか、あるいは簡単に成果を出せないからです。例えば、「スキルやノウハウがない」「時間やお金がない」「環境が悪い」などの根本的な原因があったりします。私たちは、その現実から目をそらすために「モチベーション」という言葉を使ってしまうのです。

部下に「頑張ろう」と思ってもらえるよう、部下自身が「〇〇になりたい」「〇〇したい」「〇〇されたい」「〇〇が欲しい」というような動機づけができる環境やキッカケを作ることが大切です。自分の中で「達成感」や「成長感」を感じるようになれば、「もっと、〇〇したい」と思うようになります。普段から小さな成功体験や達成体験を積み上げていくと、「自分はやれる!」という感覚(根拠のない自信)が強くなり、さらに前進しようとします。部下が目標を達成でき、成長できるよう支援することが重要です。

例外として、年上部下のように成長感を求めていない人もいます。その場合は、相手の経験を認めた上で、頼り、相手の力を称える姿勢がよいでしょう。「ありがとうございます。○○さんにお願いしてよかった」「○○さん、1日で対応するってさすがですね」のように伝えるといいでしょう。相手に「○○さんだからお願いした」「○○さんの仕事が他の人の役に立っている」を具体的に伝えましょう。

また、「モチベーションは上げなければいけない」と思う方もいますが、無理やり上げる必要はありません。無理やり上げようとすれば、後から気分が急激に落ちたり、ムダに疲れます。できる上司も、普段からいつもモチベーションが高いわけではありません。ルーチンワークのような定型業務であれば、淡々と行い、成果を出しています。

※本記事は、『令和上司のすすめ ―「部下の力を引き出す」は最高の仕事』(日刊工業新聞社)の中から一部を抜粋・編集しています。

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