『こじらせ仕事のトリセツ』の「落とし穴①」を一部無料公開します。

こじらせ仕事のトリセツ

落とし穴① ゴールはハッキリと見えていますか?

ゴールを明確にすると、最初の一歩が踏み出しやすい

仕事中に、「どうすればいいかわからない」と途方に暮れたことはありませんか?
ゴールがはっきりしないと、何を始めていいのかさえ、わからなくなることがあります。
でも、そもそもゴールとは何でしょうか?
1つの考え方として、あるべき姿と現状を比較して課題を見つける「As Is / To Be」というものがあります。

As Is / To Be

まず、達成したい「あるべき姿(To Be)」を描きます。
次に、「現状(As Is)」を把握します。
すると、あるべき姿と現状の間には、ギャップがあることがわかります。
このギャップを埋めること、つまり課題を解決することが達成すべきゴールとなります。

しかし、せっかくゴールが決まっても、ゴール自体があいまいだと、「何をやり遂げる必要があるのか」「どこまでやれば、終わりになるのか」が見えてきません。
そこで、「SMART」を使って、誰でもわかる明確なゴールを設定することが重要となります。

SMARTゴールとは?

「SMART」は、それぞれ次の言葉の頭文字をとったものです。

S:Specific(具体的に)
M:Measurable(測ることができる)
A:Achievable(達成できる)
R:Related(やっていることに関係している)
T:Time-Bounded(時間に区切りのある)

たとえば、「会社を良くしたい」とゴールを定めても、なんだか漠然としていて、目指すところがあいまいです。どこに向かっていいのかわからず、みんながバラバラに行動してしまいます。
そこで、みんなのベクトルを合わせるために、ゴールを突き詰めるのです。

まずは、あいまいなゴールを具体的(Specific)にします。
たとえば、「そのゴールを目指すには、具体的に何をするのか?」「そのゴールで何を達成したいのか?」というような質問をして、直感的にわかるものに言い替えていきます。
すると、「会社の利益を増やす」のような、みんなが理解できる目標になります。

次に、ゴールを達成したかどうかがハッキリわかるように、数字を使って、ゴールを表現します(Measurable)。
たとえば、「会社の利益を増やす」ではなく、「利益を現状から10%増加する」にします。数字化すると、どこまで達成できたかが測れ、誤解がありません。
ただし、何とか達成できる(Achievable)と感じられるゴールでなければなりません。
もし「利益を10倍にする」とゴールを定めれば、現実的ではないため、「無理だ」「失敗しそうだ」「責任はとりたくない」などと思い、はじめから諦めてしまうでしょう。

また、ゴールは自分の業務に関連している(Related)必要があります。
「利益を現状から10%増加する」というゴールについても、製造部門であれば、「生産コストを10%削減する」みたいなほうが、より業務に関連し、自分事としてとらえられるでしょう。

最後に、目標を決めるときは、必ず締め切りを設定しましょう(Time-Bounded)。
「いつまでに終わらせる」がないと、ずるずる先延ばしして、人は行動しません。
たとえば「1年以内に生産コストを10%削減する」と期限を設けることで、ゴールに向かって行けます。

SMARTゴールにより、目指すところがハッキリと見えてきます。
進むべき方向や距離がわかるだけではなく、どれくらいのペースで進めばいいのかがイメージできるようになります。
「あれ? 何のためにやっているんだっけ?」と、やっていることの意義や当初の想いを見失うこともありません。進むべき道をガイドしてくれます。
つまりゴール自体が行動するモチベーションになるため、最初の一歩を踏み出しやすくなるのです。

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